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ペットの法律 ペットと法律

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 ペットの法律・ペットと法律 喜多村 行政書士事務所
 
 日本行政書士会連合会登録 第12080676号   東京都行政書士会 会員 第9030号  

トラブル拡大防止のために 占有・所有 @

          『所有者』と『占有者』

          〜 誰の責任か?を考えるうえでの基準 〜

 Aさんが持っている時計とペンがテーブルの上に置かれています。それがAさんのものであることを人に伝える際に丁寧な表現で『それはAさんの○○物です。』と言ったとします。この場合○○に入る言葉は・・・?

 『それはAさんの
持ち物です。』・・・普通こう言います。
 『それはAさんの
所有物です。』・・・堅い表現ですが、それでも通
                     じます。

 普段の会話はこれで充分成り立ちます。また、丁寧に言わなくて済むのなら『これ誰の?』の問いに『Aさんの!』で、即完結です。

 しかし、事が法律に及ぶとここにもうひとつ、
『占有』という単語が加わります。

 『これ誰の?』に対して『それはAさんの占有物です!!』と答えてしまうと、それが厳密な意味でAさんの『占有物』だとしても、『占有物』という言葉自体が日常的ではないだけに、その後ややこしい会話になりかねません。

 さらに『その時計はAさんの所有物ですが、ペンはAさんの占有物です。』などと言ってしまおうものなら、もし実際にそうであったにしても、その違いを巡って会話が紛糾してしまうおそれがあります。

 そして、何かのトラブルの際にこの占有という単語がひっぱり出される状況というのは、これもややこしいことになる場面が想定されます。

               

 『占有』は、民法のうえで、物全般について幅広く用いられる概念であり、誰かが所持している状態について、それが
『所有』なのか『占有』であるかを明確に分けて規定しています。

 占有は
『占有権』というひとつの権利として認められており、何かを持っている事実そのものを指します。確かにAさんは時計とペンを持ってはいますが、それは他の人から借りたものかもしれないし、拾ってそのまま持っているだけかもしれません。

 つまり、
誰が本当の所有者であるかは関係なく、その人が自分の利益のため(この場合、時間の把握や自分の筆記用具として使うこと)にする意思をもって、ある物を自分が支配している状態(自分の身の回りでいつでも使える状態にあること。これが『所持』と考えられています)にある事実自体が『占有』ということになります。したがって物を実際に自分が支配できる状態になければ『占有』とは認められません。

 また、占有はそれを支配して自分の管理下に置いている事実を認めるものではありますが、占有に至った原因が法的に正しいと認められているかどうかは別物です。
適法な占有であるためにはその根拠となる正当な理由が必要であり、その根拠は所有権や賃借権等様々です。ただし、もしもその占有物によって被害が引き起された場合には、違法な占有であっても、占有者がその責任を負うことになります

 これに対し『所有』は『占有』より法律的に強く、違法目的でない限り所有者は所有物を自由に扱えます。

 先程の例であれば、借りたペンを勝手に売り払うことは違法ですし、拾った時計であればまず届出の必要があり、また、そのまま持ち続けていても、民法に規定された期間内に落とし主が名乗り出れば返さなければなりません。しかし、所有者は自分の意思でペンを売って良いですし、突然時計の落とし主が現れることもありません。

 そして
『所有者』はその物を所持することによって『占有者』にもなりますが、『占有者』は所有権(契約事以外でも『時効』によって得られる場合もあります)の根拠なくして『所有者』にはなり得ません。

               

 ペットが何かトラブルに関わった場合、
責任の所在は『占有者』にあるとされています。

 売買でペットを購入した場合、契約書に記された人は当然所有者になり得ますが、所有者はそのペットを自由に貸出すことができますし、特に書面で所有名義の変更を必要とせず譲り渡すこともできます。したがって、名義上の所有者はペットと生活を共にしていなくても『所有者』ではありますが、自分が支配できる状態にない以上、常に『占有者』であるとは限りません。

 ペットの場合、一般的には『所有者』=『占有者』=『飼い主』なのですが、
民法第718条第1項には『動物の占有者は〜』とあり、動物の行動について責任を持つのはその動物を実際に自分が支配し、直接に制御し得る状態にある者として、その対象を絞っています。

     事故の際に、『占有』・『所有』はとても重要な事実として扱われます。


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                                       行政書士 喜多村 淳


                                        

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