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 ペットの法律・ペットと法律 喜多村 行政書士事務所
 
 日本行政書士会連合会登録 第12080676号   東京都行政書士会 会員 第9030号  

   動物の「里親」って?  

 

         そもそも「里親」とは?

             〜 人についての場合 〜

 「里親」という言葉について、広辞苑(第三版)にはこのように記されています
 ( * 一部抜粋のうえ )。
  
 【 里 親 】
  @ 他人の子供を里子として預かった親。しとね親。そだて親。
  A 児童福祉法に基づき、都道府県知事の委託を受け、保護者のない児童などを
   引取り養育する者。

  また、里親の「種類」については、「養育里親」「専門里親」「養子縁組里親」
 「親族里親」に分けて考えられており(厚生労働省HPより)、そして、そのいず
 れかによって、里親が親として「行い得ること」「行わなければいけないこと」
 「行うことができないこと」の範囲もそれぞれ区別されることになります。


      動物の「里親」に関する契約書

     〜 所有権そのほかについて、明確にしておく必要があります 〜

  
  しかし、動物の場合、「里親募集」の求めに応じて「里親」となる場合、人の場
 合のようなあらかじめの明確な規定はないかわりに、「里子」となる動物について
 の所有権に関する点が後々問題となる場合があります。

  例えば、「里親」になることについて、

   引渡しの段階で、里子についての完全な所有権の移転がなされるものか

   里親を募集した側(所有者)からの条件などがあらかじめ付されたうえで、
    その条件について里親了解のもと、引渡しが行われ、その条件が満たされた
    場合に里子ついてのに所有権を移転させるとし、これが満たされない場合に
    は、引渡後であっても、前所有者は返還を求めることができ、この求めがあ
    った場合、里親は前所有者に里子を返還しなければならないものか

  上記は、事前に取り決めるべきことの、ほんの一例ですが、もし、たったこれだ
 けのことについて、里親を募集した側と里親になった側との間で、あらかじめ明確
 な合意が出来ておらず、双方の認識に食い違いがあり、何かのきっかけで互いに所
 有権を主張する事態となった場合、お互いの認識や理解の程度を明確に出来る根拠
 がなければ、申入れから引渡しまでの間の「言った」「言わない」に終始すること
 になりかねません。

  
1.まず、里子となる動物については、その動物を特定し得る情報[例:種類、
   毛色、誕生日、年(月)齢、血統書がある場合の血統書、(犬の場合)畜犬登
   録済みの場合の登録先自治体や登録番号、マイクロチップ装着の場合の個体識
   別番号 ほか]を明確にし、


    完全な所有権とともに引渡されるものか
    所有権の移転について、何らかの条件付きで引渡されるものか
    預けられるだけのものか

    を最低限明確にしておく必要があり、

  
2.また、所有権のありようのほか、それぞれの責任や費用分担を申し合わせ
   るうえで、


    「何らかの条件」がある場合、それは何か
    条件が満たされた場合はどうなるか
    条件が満たされない場合にはどうなるか
    所有権の移転が留保される(経過観察期間を設ける 等)場合、行政への
     登録はどうするか
    引渡しの際に気付かなかった疾患や疾病があった場合にはどうするか
    もし返還することになった場合、里親が飼養に関して支出した費用の負担
     をどうするか
    預ける場合、その期間はいつまでか。また、その間に生じる費用は預けた
     者と預かった者のどちらがどれだけ負担するか
    
    などのほか、各種必要事項について、あらかじめ詳細を取りまとめ、

  
3.お互いの了解を明確に残すために、

    譲渡及び譲受契約書(引渡し=完全な所有権移転、を示すもの)
    譲渡及び譲受契約書(条件付きまたは所有権留保などの特約付きのもの)
    寄託及び受寄契約書(預け、預けられる場合の内容を示すもの)
 
  このほか内容に応じた書面により、お互いの認識と理解の内容を残しておくこと
 が望ましいものと考えます。


  なお、上記までの「条件」は、その内容により「停止条件」「解除条件」とされ
 る種類に分かれ、ここに双方の希望や要望が反映されることになりますが、これが
 曖昧な場合も、やはり後々の食い違いの原因となることがあるので、事前の充分な
 申し合わせが必要となります。


     「里親」に際しての契約書が重要である意味

           〜 お互いの善意と了解を保証するために 〜

  里親を求める、または里親になることは、それぞれ紛れもなく、動物に対する善
 意による筈です。

  しかし、善意のボタンの掛け違えは、事が法律に及ぶと掛け直しが利きづらいも
 のでもあります。

  法律上の「物」であっても、実際は物に非ずの面もある動物のやり取りについて
 は、何より「親」としての人同士の、あらかじめ明確な相互理解と共通認識が必要
 と思われます。

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   行政書士 喜多村 淳

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